欲求と満足 〜なぜトイレットペーパーを大量に買う人がいるのか?

生理的欲求には、上限が脳に設定されている。一方で、生理的欲求以外の欲求には、上限が設定されていない。そのため、何かが際限なく、欲しくなるという事が起こる。例えそれを手に入れたとしても不安は解消されず、もっと多く欲しくなる。

コロナ禍の中、人々はトイレットペーパーを買い漁った。トイレットペーパーの供給は正常であったが、買い漁る人々がいたため、トイレットペーパーは店から瞬間蒸発するようになった。それが人々を不安にさせ、更なるトイレットペーパーの買い占めに繋がった。

このように物品の品薄は、人間の満足を知らぬ欲求を炙り出した。欲望にどう向かい合えば良いだろうか?

満足と上限が有る欲求

マズローの欲求5段階説の第1段階、生理的欲求(食欲・性欲・睡眠欲・排泄欲等)には、上限が脳に設定されている。ゆえに満腹なら満足を知り、十分眠れば起き上がる事になる。

生理的欲求は際限があるという点で、安全な欲求と言える。

満足を知らぬ、上限が無い欲求

生理的欲求以外の欲求は、脳に際限が設定されていない。

例えば、トイレットペーパーは普段、2ロールあれば十分だ。だが、皆がパニックになり、店から在庫が消え続けている間は、そうはいかない。6ロールは欲しくなる。ところが、例え6ロール手に入れても安心は得られず、12ロール欲しくなるだろう。

同様に、品薄になったマスクを5枚手に入れたら10枚欲しくなるし、50枚なら安心かというとそうでもない。生理的欲求以外の欲求には際限がないため、自身の欲求に向き合えない者が出て、買い占めは必然的に起こる。

お金もまた、同じ事が起こる。100万円貯めても、1,000万円貯めても、それでもまだ、お金は欲しくなるものだ。

どう、向き合うか?

際限のない欲求には、論理による分析が役に立つ。12ロールのトイレットペーパーが何日分に相当するかを計算すれば、トイレットペーパーを追い求める必要が無い事が分かる。ネットで異常な高値のマスクを買うよりも、店に並ぶまで少し待つか、自作するか、何かで代用するか、落ち着いて他の方法を探る方が良いと気付く。欲望は、考えて対応するのが良いのだ。

なお、満足を知らぬ欲求は、危険で悪い事ばかりでもない。逆にこの特性を利用して、楽しむ事が出来る。例えば資産運用でお金を追い求め増やしていく取組は、いつまでも、いくらででも、刺激的で楽しいものになるだろう。

生理的欲求以外の欲求を、いかに上手くマネジメントするかが、人生を豊かにするためのコツの1つだと考えられる。

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