LTCMショック(1998年)時の米ドル/円 為替チャート 円高進行の程度と、その理由は?

1998年、ヘッジファンドの1つ、LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)が破綻、これを発端とした金融不安および円キャリートレードのポジション解消から、日本円が急激に買われ、極端な円高が進行した。一連のこの騒動はLTCMショックと呼ばれている。

LTCMショック時の米ドル/円 為替チャート

1998年10月5日に136.05円をつけた米ドル/円 為替は、10月9日には115.25円をつけた。わずか4日間の間に、為替は20円以上の急激な円高となった。

LTCM破綻の背景

タイを震源とした1997年の金融危機をアジア通貨危機と呼ぶ。当時固定相場制により、新興国通貨が実力から乖離した通貨高状態になっていた。これを、ヘッジファンドが売り崩したため、アジア通貨が暴落、金融危機が勃発した。

アジア通貨危機は、1998年のロシア財政危機を招いた。ロシア財政は悪化し、1998年8月17日、ロシア国債は債務不履行(デフォルト)に陥った。

LTCMの破綻と円高

ロシア財政危機は、ロシア国債を買っていたLTCMを破綻させた。LTCMは金融工学を駆使し、レバレッジをかけた裁定取引を行っていたのだが、有価証券価格が理論値から想定外に乖離し、損失が膨らんだ。

LTCM解体時に、LTCMが持っていた膨大な円キャリートレードのポジションが解消された。この事で急激に円が買われ、円高になった。

また、LTCM救済のために米国の金融機関の負担が増えた。そのため、米国金融不安が起こりドル売りが進んだ。当時ドルの代わりにドイツのマルクが買われていたが、ドイツ連邦銀行が利下げを示唆したため、投資マネーは行き場を失った。

この投資マネーは、ちょうど金融不安が解消された日本円に集中した。こうして円が買われ、上記チャートの急激な円高が引き起こされた。

教訓

歴史的な事実として、4日間で20円の円高になるという事は起こりうる。たとえ夕凪相場においても、極端な為替ポジションを取るのは、危険だと言える。

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