情報・通信銘柄の開示抜粋 コロナ影響少なく、業績予想上方修正多い

2020年4月30日〜5月1日にリリースされた情報・通信業の適時開示を抜粋した。業務の特性上、コロナ自粛の影響は比較的少ないようだ。売上高増に伴い、経常利益が業績予想修正を出す必要がある水準にまで上振れしている銘柄がちらほら出ている。2021年3月期の業績予想は、多くの銘柄で前年比プラスを見込む。

本決算

独立系情報サービス会社の旭情報サービス(9799)の2020年3月期決算は、売上高は前年比+6.6%の12,055百万円、経常利益は前年比+11.8%の1,188百万円となった。IoTやAIを活用したITサービス、クラウドサービスやセキュリティ対策、RPA導入等の需要が堅調な環境下、アウトソーシング案件や上流工程案件の取引拡大に注力した。2021年3月期も増収増益(売上高+1.2% 経常利益+1.8%)を目指す。

ネットによる動画ライブ中継やオンデマンド放送の配信インフラ提供をするJストリーム(4308)は、2020年3月期決算を発表した。売上高は前年比+24.5%の8,442百万円、経常利益は前年比+76.1%の562百万円であった。経常利益は事前予想を30.7%上回った。主力となる医薬系業界のWeb講演会関連ライブ配信、メディア系のコンテンツ配信や、各種運用・監視、システム開発にかかる売上が順調に拡大した。加えて、新型コロナウイルス感染症対策のために、人の直接接触機会を減らせるライブ配信やイベントの事前映像収録等の引き合いが急増した。

システムを運営するODKソリューションズ(3839)の2020年3月期決算は、売上高は前年比△3.5%の5,151百万円、経常利益は前年比△9.8%の553百万円となった。システム運用では、教育業務における新規受託や処理件数増、臨床事業に係る運用業務等が増加したものの、証券会社の事務代行業務の解約があった。システム開発では、臨床事業に係るシステム開発の剥落や証券総合システムSENS21の開発案件剥落があった。2021年3月期は増収減益(売上高+6.8% 経常利益△11.4%)を計画している。

コンサルテーション・SI・アウトソーシングを行う、伊藤忠テクノソリューションズ(4739)の2020年3月期決算は、売上高は前年比+7.8%の487,018百万円、税引前利益は前年比+14.5%の41,541百万円となった。製造や運輸向けインフラ、流通向け開発、通信事業者やインターネットサービスプロバイダ向けインフラ、公益や鉄道向けインフラなどが増加した。2021年3月期は増収増益(売上高+2.7% 税引前利益+7.4%)を計画している。

ネットサービス大手のZホールディングス(4689)の2020年3月期決算は、売上高は前年比+10.3%の1,052,943百万円、税引前利益は前年比+10.0%の135,676百万円となった。創業以来初めて売上収益が1兆円の大台を突破した。ZOZOを連結子会社化したことや、アスクルグループの売上収益が増加したこと、広告売上収益が増加したことが寄与した。2021年3月期の業績予想は未定とした。

業績予想の修正

CADシステム販売、保守サービスを主柱とするアルゴグラフィックス(7595)は、2020年3月期の業績予想を上方修正した。経常利益は事前予想比+21.9%の6,562百万円に着地したようだ。自動車業界を中心とする製造業の研究開発投資に対する意欲が根強く、システム商品販売並びにサービス事業全般にわたり好調に推移した。

情報インフラ構築とアプリ開発のテクマトリックス(3762)は、2020年3月期の業績予想を上方修正した。経常利益は事前予想比+22.4%の3,010百万円に着地したようだ。セキュリティー投資の需要が高まり、情報セキュリティ関連製品の売上が好調だった。

独立系SIベンダーのアイティフォー(4743)は、2020年3月期の業績予想を、売上高を上方修正、経常利益を下方修正した。売上高は事前予想比+12.5%の15,200百万円に着地したようだ。改元対応による特需、消費税率の改正・軽減税率の法対応が寄与したことに加え、流通 e コマース事業での大型案件や公共向け B P O の案件拡大があった。経常利益は事前予想比△6.2%の1,830百万円に着地したようだ。外注加工費の増加や、工数増加によるコスト増、および一部の戦略的な受注によって、利益は低下となった。

製造業を中心とした企業向け情報システム構築と保守・運用を行うシステムリサーチ(3771)は、2020年3月期の業績予想を上方修正した。経常利益は予想比+23.0%の1,737百万円となったようだ。製造業、非製造業を問わず幅広い業種の主要顧客からのIT投資需要が堅調に推移した。

ソフトバンクグループ(9984)は、2020年3月期の税引き前利益を下方修正した。税引き前利益は、前回予想比△92.0%の20,000百万円となったようだ。The We Company(WeWork)をはじめとするソフトバンク・ビジョン・ファンド以外の投資先に係る営業外損失が膨らんだ。

メルカリ(4385)は、2020年6月期の業績予想を発表した。売上高は、前期比+41.2%~+45.1%の73,000~75,000百万円に、経常利益は赤字幅拡大の△25,000~△23,000百万円と予想した。売上高は、メルカリ日本事業の安定的な成長に加え、メルペイや米国事業等の着実な成長によって増加する。コロナ流行によるEコマース需要増も追い風となっている。一方で利益については、メルペイ及び米国事業において認知度の向上や利用を促す広告宣伝を実施した事で費用が増加し、赤字は拡大する。

その他

ODKソリューションズ(3839)は株主優待を導入した。100株以上の保有でクオカードが手に入る。保有期間によって金額が異なり、3年未満は500円、3年以上は1,000円となった。

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