VIXショック(2018年)時の米ドル/円 為替チャート 良好な雇用統計が何故、円高を招いたか?

2018年2月2日(金)に、米国にて良好な雇用統計が発表された。利上げペースが早まるとの予測から、株価は急落、VIX指数が急騰した。VIX指数の急騰は株安と投資家の不安を更に拡大させた。これをVIXショックと呼ぶ。

VIXショック時に有事の円買いが起こり、米ドル/円 為替相場は円高が進行した。

VIXショック時の米ドル/円 為替チャート

2月2日(金)に1ドル110.16円で終えた為替は、2月16日(金)に105.55円をつけるに至った。

良好な米雇用統計が利上げを示唆

2月2日(金)に、1月の雇用統計が発表された。内容は予想を上回る良いものだった。ところが市場はこれを、年内の利上げペースを従来の3回から4回へ増やす材料だと捉えた。

1月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比20万人増と、市場予想の18万人増を上回った。賃金は前年比で2009年6月以来の大幅な伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)が年内の利上げペースを加速させる可能性があることが意識された。

https://jp.reuters.com/article/stock-us-close-0202-idJPKBN1FM2VF

2月5日(月)に米国株は利益確定売り・手仕舞い売りを巻き込み暴落した。ダウ平均株価の終値は前週末比1,175.21ドル安の24,345.75ドルになった。

VIX指数の急騰と、世界の株安、円高

市場が不安定になり、恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は急騰した。長らく続いたぬるま湯相場に油断しVIX指数を空売りしていた投資家は、大幅な損失とロスカットを強いられた。また、リスク・パリティ運用を行うファンドは、リスクが高くなった株式を売った。

こうして世界の不安は増し、株は更に下落した。逃避した投資マネーは円を買い(有事の円買い)、円高が進行した。

教訓

長らく続いたぬるま湯相場は、VIXショックにより、突如として終わりを迎え、ボラティリティが急拡大する局面に入っていった。株高は永遠には続かず、ボラティリティは変化する。このような変化に対して、機敏かつ適切な反応ができるように、準備をしておきたいものだ。

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