リーマン・ブラザーズ破綻(2008年9月)後の日経平均株価株価チャート 悲観相場での極端な株価乱高下

2008年9月15日(月)に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻した。同社の社債や投資信託の価値毀損は金融危機を招き、世界各国の株安・債券安が進行した。

この金融危機はリーマン・ショックと呼ばれている。リーマン・ショックでは、株の値動きが非常に大きくなり、連日のように暴落と暴騰を繰り返した。

リーマン・ブラザーズ破綻後の日経平均株価チャート

下図は、リーマン・ブラザーズの破綻(2008年9月15日(月))後の日経平均株価チャート。

リーマン・ブラザーズ破綻直後

リーマン・ブラザーズの破綻の翌日である9月16日(火)の日経平均株価は11,609.72円で引けた。前日比-605.04円(-4.95%)という比較的大きな下げとなった。

その後、半月程度は、株価はリーマン・ブラザーズ破綻の直前・直後と同じ水準に踏みとどまった。

リーマン・ブラザーズ破綻の半月後

リーマン・ブラザーズの破綻から半月が経過した2008年10月の株価は、下り坂を転がるように下落した。

金融危機は、リーマン・ブラザーズ破綻のような大事件の直後ではなく、少々時間差をおいてから世界の株価を押し下げる傾向がある。これは、金融関連の事件は影響の大きさが計り知れないため、状況が明らかになり実害が波及するまでに、少し時間がかかるためだと言えよう。

ファンダメンタルズやテクニカルの指標は、割安シグナルを点灯したまま、株価は下がり続けた。この時期、逆張りで押し目買いを入れる投資家に買い付け余力は既になく、買い板が薄くなり(=株を買う注文が少なくなり)、株価は底が割れたように落ちていった。

参考)2008年の日経平均株価の高値は、1月4日(金)につけた15,156.66円。リーマン・ブラザーズ破綻の翌日の時点で、年間高値からは3546.94円安(30.55%安)というかなり低い水準になっていた。押し目買いを入れるはずの逆張り投資家は既に株を買い、その塩漬け株(=売るに売れない株)によって、身動きがとれなくなっていた。

10月の歴史的な暴落と暴騰

10月中旬には、あまりに割安な株価水準で踏み上げや持たざるリスク(株を持っていない投資家が株価の上昇に置いていかれるリスク)が意識されるようになった。これに伴い、大陰線の中に大陽線が出現するようになった。そしてますます株価の動きは荒くなった。

この局面での株価の下落幅は、実に大きなものだった。

10月8日(水):日経平均株価は1万円を下回る9,203.32円で引けた。前日比952.58円安(-9.38%)。

10月10日(金):日経平均株価は8,276.43円で引けた。前日比881.06円安(-9.62%)。

10月16日(木):日経平均株価は8,458.45円で引けた。前日比1,089.02円安(-11.40%)で、ブラックマンデー(1987年)に続く大暴落となった。

暴騰局面で焦って株を買い戻した投資家は、大きく損をした。

参考:10月28日(火)の最安値

2008年10月28日(火)の日経平均株価は、場中に7,000円を割り、最安値6,994.9円を付けた。この値は2008年の高値15,156.66円と比べ8,161.76円安(-53.85%)で、株価は半値以下の水準に下落した事になった。リーマン・ショックは、資産運用を行う場合には株価が半減する可能性を十分視野に入れ、慎重な運用を行うべきだという教訓を残した。

その後、日経平均株価は一旦回復方向へ進んだ。結果、10月28日(火)につけた6,994.9円という値は、2008年最安値のみならず、平成バブル後の最安値になった。以降の相場でこの値(バブル後最安値)は、支持線として強く意識されている。

リーマン・ショック後

株価は一時的に回復・日銀利下げ

2008年10月28日(火)に最安値を付けて以降、日経平均株価一時的に回復方向へ向かい反騰した。また2008年12月19日(金)に、日銀は政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.2%引き下げ、0.1%とする事を発表した。利下げは、公表後直ちに実施された。

株価は再び下落基調へ

利下げを受けて2009年1月は株高で始まるも、再び下落基調となった。円高進行と輸出企業の業績悪化により、株は売られ続け、2009年3月までの下降トレンドを形成した。そして2009年3月10日(火)には、終値で7,054.98円をつけた。この値は終値ベースで平成バブル後の最安値として記録された。(日中の最安値は前述の2008年10月28日(火)につけた6,994.9円。)

教訓

リーマン・ショックのような金融危機の状態で何が起こったか、どうすれば良いかについて考えをまとめる。

・長らく続く下落相場では、押し目買いを入れる投資家が含み損で身動きが取れなくなり、買い注文が極端に少なくなる。買い注文が減り、株価が下落するという悪循環により、長らく株価が低迷する局面もある。→一方で株価低迷は、長期的目線では絶好の買いの機会ではある。買い注文を出すための余力と気力を保ちたい。

・リーマン・ブラザーズ破綻の半月程後に大きく株価は下落した。→金融関連の事件は状況が明らかになるまでに時間がかかるため、警戒を怠らないようにしたい。

・金融危機で株価は乱高下する。→暴騰時に焦って買い戻すと大きく損をする。これを避けるために、売買を控えたい。売買をする場合も、機械的なリバランスを行う程度に留めるのが良いと考えている。

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