9.11アメリカ同時多発テロ事件(2001年)前後の日米株価推移

2001年9月11日(火)にアメリカ合衆国内で、航空機等を用いた4つのテロ事件が、同時多発的に発生した。この事件は、「アメリカ同時多発テロ事件」や「9・11テロ」等と呼ばれている。

テロ事件は株式市場にとって明確なネガティブ・サプライズであり、世界各国の株価が急落したが、大規模な自然災害や破滅的な経済危機と比較すると、テロ事件は局所的な事件であり、ファンダメンタルズへの影響の規模が小さいため、株価は比較的早く回復を始めた。

9.11テロ事件の発生

2001年9月11日(火)にイスラム過激派テロ組織アルカイダによって4機の旅客機がハイジャックされ、2機が貿易センタービルに衝突、建物の崩壊を招いた。1機がペンダゴン(アメリカ国防総省本庁舎)に墜落、1機が野原に墜落した。

一連の攻撃で、日本人24人を含む2,977人が死亡、25,000人以上が負傷し、少なくとも100億ドルのインフラ被害・物的損害に加えて、長期にわたる健康被害が発生した。

アメリカ同時多発テロ事件 - Wikipedia

アメリカ株式市場の反応

市場取引の中止

テロが起きたのは9月11日(火)の朝で、アメリカ合衆国での取引が始まる前の時間帯だった。多くの金融機関が入居する貿易センタービルで起きた事件ということもあり、テロ事件以降アメリカ合衆国国内の取引は中止された。

次に市場が開いたのは9月17日(月)になった。

株価の急落

テロ事件後に初めて市場が開いた9月17日(月)のダウ平均株価は、前営業日比-684.8ドル安(-7.13%安)の8920.7ドルで引けた。その後も下落を続け、9月21日(金)には8,062.3ドルをつけた。これはテロ前日の9月10日(月)の終値と比べ、1,543.2ドル安(-16.1%)の水準になる。

テロ事件は明確なネガティブサプライズであり、米国株はこのように大きく売られる事になった。

株価の回復

9月21日(金)を境として、その後の米国株の株価は回復基調となった。テロ事件は震災や経済危機と比べて影響が局所的であるため、落ちついた投資家が買い戻しを入れた事で株価は上昇した。

世界の株、日本の株への影響

テロ事件は世界中の株安を招いた

テロ事件は明確なネガティブサプライズであり、短期的には株価下落要因だ。もし戦争・紛争に発展すれば、テロが起こった国の経済に悪影響が出る。それは世界経済に波及するかもしれない。

このように、世界の治安悪化が警戒された結果、米国のテロ事件によって世界各国の株価は大きく下落した。

日本株も例外ではなかった。

日経平均株価の急落

テロ事件の翌日は、場中に株価が暴落した。ITバブル(インターネットバブル)の崩壊で下落基調にあった日経平均株価は、米国のテロ事件により更なる売りを浴びた。チャートは下図の通り大きな陰線になった。

9・11テロ事件の翌日の日経平均株価の始値は10,140.42円で、やや安く(前日比152.53円安)始まった。そしてその後、日経平均株価は下げ幅を広げ、始値から530.32円下げた9610.10円で引けた。

つまり場中に5.52%も下げた事になった。前日比では682.85円安、6.63%の下げになった。

日経平均株価の乱高下後の回復

テロ事件後、日経平均株価は乱高下した後に回復した。

日経平均株価は暴落の翌々日の2001年9月14日に、前日比395.8円高(+4.12%)になった。その後2001年10月11日には、日経平均株価は10347.01円を付け、テロ事件前(2001年9月11日終値)を上回った。

テロ事件のファンダメンタルズへの影響は比較的小さい

結果的に、9・11テロ事件の株価への影響は軽微に終わった。

一般的に、大震災を始めとする大規模な自然災害や、破滅的な経済危機と比較して、テロ事件は局所的な事件だ。そのため、経済・ファンダメンタルズへの影響の規模が小さいと言える。結果として、テロ事件の長期的な株価への影響は軽微である傾向がある。

9・11テロ事件を受けたアメリカ政府の対応

9・11テロ事件の後、アメリカ政府は、「テロとの戦い」(War on Terror)を宣言した。この戦いの一環として、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者である国際テロ組織「アルカーイダ」指導者のウサーマ・ビン・ラーディンを匿っているとして、2001年10月7日にアフガニスタンへの空爆、侵攻を開始、同国のタリバン政権を崩壊させた。

アメリカのアフガニスタン侵攻 - Wikipedia

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