日経平均株価が大きく上昇する一方でマザーズ指数が下落する要因

日経平均株価が大きく上昇する一方で、マザーズ指数が下落する地合いがある。多くの個人投資家にとっては辛い相場だ。構成銘柄の違いや投資家心理の違いが、2つの指数の異なる動きに繋がっている。

構成銘柄の違い

日経平均株価の構成銘柄と、マザーズ指数の構成銘柄の特徴が異なることが、値動きの違いの要因になっている。

構成銘柄の業種の違い

日経平均株価は日本国内の主要な大手企業の銘柄が含まれる指数。電気機器、機械、輸送用機器といった、輸出関連株が多く含まれている。一方でマザーズは主にベンチャー企業や成長企業の銘柄で構成される指数で、情報・通信業やサービス業といった内需株が多く含まれている。

これら構成銘柄の違いから、業績やニュースなどの要因が指数に与える影響が異なる。例えば為替レートの反応が異なる。日経平均株価構成銘柄には、円安が業績にプラスに働き、株価が上がりやすいものが多く、円高では株価は下がりやすい傾向がある。一方で内需中心のマザーズ銘柄は、為替影響を受けにくい銘柄が多い。

構成銘柄の安定性・成長性の違い

日経平均株価は安定した企業が多く含まれており、安定感や配当利回りなどが投資家に魅力を与える要因となる。一方でマザーズはリスクが高く、株価の変動が激しい特徴がある。

そのため、安定性に重きが置かれる地合いでは、大型株が多い日経平均株価が好調なことが多い。逆にリスクテイクしやすい地合いでは、成長株の成長を享受しやすいマザーズ株が上がりやすい。

投資家心理の違い

日経平均株価の構成銘柄に投資する人とマザーズ銘柄に投資する人の分布が異なるため、異なる投資家心理が働き、値動きの違いに結びつく。

外国人投資家の影響の違い

日経平均株価は外国人投資家の動向に影響を受ける。外国人投資家が買っている時は、日経平均株価は上がりやすい。一方でマザーズ銘柄は日本の個人投資家の影響が大きい。

外国人投資家は株価のトレンドに乗る順張りで、個人投資家は株価のトレンドに逆らう逆張りだと言われている。地合いに逆行するかどうかの違いが日経平均株価とマザーズ指数の値動きの違いとして現れることがある。

また、外国人投資家は世界経済や各国金融政策を考慮した売買を行う傾向があり、個人投資家は銘柄分析から売買を行う傾向がある。この違いが指数の違いとして現れることがある。

流動性に対する反応の違い

日経平均銘柄は、マザーズ銘柄よりも流動性が高いため、値動きが緩やかになる傾向がある。マザーズ銘柄は、流動性が低いため、値動きが大きく振れる傾向がある。

景気下落局面では、流動性の低い(すなわち買い手が少ない)マザーズ銘柄は株価が大きく下がることが多い。それを警戒した投資家心理が、更なるパニック売りを招くことがある。

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