2007年8月9日、BNPパリバ傘下のミューチュアル・ファンドが投資家からの解約を凍結すると発表した。これにより、米住宅バブル崩壊で値崩れしつつあったサブプライムローン関連の証券化商品が危機的状況であると世界中に知れ渡った。
これを発端として信用不安が台頭、有事の円買いが起こった。この「市場の混乱」はパリバ・ショックと呼ばれている。
パリバ・ショック時の米ドル/円 為替チャート
8月8日には1ドル119.72円であった米ドル/円為替相場は、8月17日には1ドル111.61円をつけるまで円高に振れた。短期間に8.11円(6.8%)もの円高が進行した計算になる。上記の為替チャートでも、1日に数円単位で大きく変動した様子が読み取れる。
パリバ・ショックの背景とその後
米住宅バブルが崩壊、サブプライムローン商品は値崩れしつつあった。パリバ・ショックは、サブプライムローン商品の不良債権化が深刻である事を、世界中に知らしめた。また、解約の凍結により現金化が困難になり、欧米の投資家を中心に大きく動揺した。
その後、パリバ・ショックは一時的に沈静化した局面もあったが、結局サブプライムローン問題の深刻になり続けた。そして2008年にはリーマン・ブラザーズが破綻し、リーマンショックが引き起こされた。
2006年頃から米国の住宅市場が変調をきたし、サブプライムローン等の延滞や債務不履行が増えだし、2007年にはサブプライムローン関連の証券化商品のリスクが市場において囁かれる中で「パリバショック」が起き、そのリスクが現実(本当)のものとなりました。
実際、ショック後の市場では、サブプライムローン関連の買い手がつかず、解約に対応するための現金化が困難になり、それまで積極的に購入していた欧米の投資家が大きく動揺し、信用不安が台頭しました。当時は、金融当局や市場関係者、金融機関なども、サブプライム問題の深刻性をまだ十分に認識しておらず、いったんは鎮静化の兆しが見られました。
パリバショック
円高は日本株の株安へ波及
パリバショックの円高は、日本株の急激な株安を招いた。
8月17日は場中に円高が進行し、輸出企業の業績悪化が予想されたため、急激に株が売られた。日経平均株価は前日比874.82円安(5.417%安)となった。結果、パリバ・ショック直前の8月9日高値17274.33円と比べれば、日経平均株価は2,000円以上の暴落となった。
BNPパリバ・ショック(2007年)後の日経平均株価チャート
教訓
パリバ・ショックでは、それまで揉み合っていた米ドル/円 為替が一気に円高へ振れる事となった。このように株や為替は、突如として極端な動きをする事がある。大損失にならぬよう、たとえ夕凪のような静かな相場においても、極端なポジションは持たず、慎重な運用を心がけたい。
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